Road to Zepp
2019.1.7
井上緑Zepp Diver Cityワンマンライブに行って来た。
Zepp Diver Cityには他のバンドやアーティストのワンマンで何度も来た事があったし、何なら仕事で本当に嫌というほど訪れた場所だったけれど、緑さんが自身の手でようやく掴み取ったステージを目の前にした時、見慣れていたはずのエントランスも、客席も、ステージも、とてもとても特別な物のようにきらきらと輝いて見えた。
(ああ、井上緑がついにここまで来たんだ。。)
ありきたりな言葉だけど、
そう思わずにはいられなかった。
開場直後は人も疎らで、正直大丈夫かな…?っていう気持ちの方が大きかった。
いや何でお前が不安感じてんだよ、何様だよって自分でも思うけれども。笑
しかし開演時間が迫って来ると、徐々に徐々に客席が埋まり始めた。
暇を持て余して何となく撫でていた携帯の画面からふと顔をあげると、辺りは緑さんの歌を楽しみに来た人でいっぱいになっていた。
客入れBGMには緑さんセレクトであろう聞き馴染みのある素敵な音楽たち。
客席には同じTシャツを着た、同じアーティストを待ちわびる人たち。
ライブ前から死ぬほど幸せじゃないすか。
なんすかこの景色。
膨らむ胸と、期待と、緊張。
いよいよ開演時間。
井上緑のステージが始まる。
とにかく、最高としか言いようがなかった。
濃いなんてもんじゃない。
井上緑が、現在の井上緑がこれでもかというほど詰め込まれた1時間30分だった。
時間だけで見れば、いつものワンマンより公演時間はだいぶ少ない。
それでも、それでもこんなに感動する事があるのかというほど終始鳥肌が立ちっぱなしの涙零れっぱなし。もうどうにもならなかった。
まず、登場シーン。
地明かりとサスのみの薄暗い路地裏のようなシーンの中、これ以上ない緊張感を纏った緑さんがステージ中央に向かって歩いて来る。
ステージ中央には、一本のマイクと二本のギター。
バックバンドもいない。装飾もない。
井上緑とギターだけの世界。
いや、もうなにこれなんていう映画????
見慣れた仕草で水を勢いよく飲んだ後、聴こえてきたのは1曲目のつぶやき
「別に誰に聴いて欲しいってわけじゃないけど、呟いてみるくだらない言の葉」
「弱い僕が吐く音 これじゃ何も変わらなくても」
一発目これだと思ってなかった〜〜〜〜〜〜〜。
私が緑さんの曲の中で、一番繊細で透明なガラスみたいだって勝手に思ってる曲。
緑さん特有の弱さを描いた言葉たち。丁寧に紡がれていくメロディ。
そしてZeppに響き渡る澄み切った声とギターの音がもう、、沁みる沁みる。
やっぱりギター1本弾き語りって、張り詰める緊張感が最高だね。
そして2曲目、以上です。
「自分を信じれるほど、結果を一つも出してないんだ」
「探せば探すほど、自分を嫌いになっていく」
この曲だけは、、
自分と重なりすぎていかんのです、、、、
近頃、仕事で人生最大レベルに挫折する事があった。
そんな今の私にはこの歌詞が刺さりすぎて、痛くて痛くて痛くて。
それでも、この日のステージで歌う緑さんから目を離すことはできなかった。
それくらい鬼気迫る歌と声の力。
この日の「以上です。」を私はきっと一生忘れない。
3曲目、Stand by me
私が、井上緑を好きになったきっかけのひとつでもある曲。
私の中で、大切な、大切な一曲。
始めてこの曲をYouTubeで聴いた時の背景は自宅だったのに、今ではこんなに大きな大きなステージで同じ歌を緑さんが歌ってる。
すごいなあ。本当にすごいなあ。
こうやって、昔からの名曲中の名曲たちが名を連ねる中、今の井上緑を語る上で、死んでも外せない新曲たちも本当によかった。
まず5曲目の花束。
下北沢の路上での初聴き以来、
ようやく今回でもう一度しっかりじっくり聴くことが出来た。
とても嬉しかった。そしてやっぱり好きなやつです。音源化まだですか。まだですか。そうですか。
あとこの曲の照明はオレンジだよね。すんんごくわかる。
そして6曲目、若者のバラッド
「死んでしまいたいっていうのは嘘です
本当は全部から逃げ出してしまいたいだけ 大体そんな感じです」
この歌詞が共感オブ共感。
虚無感の正体は毎回これ。
「でも実は気付いているんだよね 分かっているんだよね 自分の何が嫌のなのかを」
若者のバラッドを聴く度に、まるで心を掻き毟られるような感覚を毎回覚える。
力強いストロークと歌声、今回も無事掻き毟られまくりました。
おかげできっと明日も生きていけます。
本当はこの調子で一曲づつ紐解きつつ語り明かしていきたいんだけども、流石に一発目からとんでもねえ文字数になりそうなので泣く泣く割愛。
ただ、これだけは言わせてくれ。
この日の前夜はすごかった。
前夜は私の中で何物にも代えがたい大切な歌。
この歌が無ければ、きっと井上緑にも出逢えてなかった。
それほどの力を持っている曲だから、この上ないほど覚悟して聴いたのに
だめだ、、、
やっぱり涙が溢れて止まらなかった。
緑さんが「うるせえな、頑張ってんだろ。」と叫んだあの瞬間。
涙と鳥肌が溢れ出てきて止まらなかった。
「足を止めた」の後の沈黙。
長いような、短いような、あの沈黙が
井上緑の想いをすべて物語っている気さえした。
「星に願いを 星に願いを どうかあなたがこのままずっと」
Zeppに響き渡る緑さんの生声。
大好きで大好きで、ずっと追いかけてきたこの声。
それが今、緑さん自身が掴み取ったこの最高の舞台に響いている。
「大人になれるように」「明日へ続くように」
嬉しかった。幸せだった。
ずっとずっと聴いていたかった。
できる限りの拍手を送った。
緑さんがステージから見えなくなるまで、できる限りの拍手を送った。
最高だよ。井上緑ってやっぱ最高だよ。
終演後はしばらく放心状態でした。
最高の時間をありがとう。
最高の音楽をありがとう。
あなたが武道館の舞台に立つまで、
そして武道館の舞台に立った後も、
変わらず、ずっと応援し続けます。
その覚悟がこの日改めてできた、最高のライブでした。
井上緑、最高にかっこいいよ。